水漏れ・トイレのつまりの
お役立ち情報
公開日:2023.08.24 / 更新日:2025.07.08
自宅で突然の水漏れが発生しても、原因や対処法を正しく知れば慌てずに対応できます。本記事では、キッチンやトイレなど場所別の水漏れ原因や応急処置、DIY修理と業者依頼の判断基準、さらに再発防止のための予防策まで分かりやすく解説します。
水漏れを放置しておくと、床や壁・天井などの建材が水分を吸い込み、腐食やカビの発生、シロアリ被害につながるおそれがあります。また、水位の高い部分から漏れている場合は、階下への浸水やご近所トラブルになることもあります。さらに、水が止まらずに流れ続けてしまう場合、高額な水道料金の請求や、漏電・電気機器の故障など二次被害が発生するリスクも見逃せません。早期の発見と対応が、修理費や被害拡大の防止につながります。
放置による主なリスク | 具体例 |
---|---|
建物の劣化 | 床材・柱・壁などの腐食、クロスのはがれ、カビ・結露 |
健康被害 | カビによるアレルギー、ダニ・害虫の発生 |
水道料金の増加 | 水が止まらず漏水したままの場合、料金が高額になる |
電気系統の故障・漏電 | 水が配線や家電にかかり動作不良、火災の危険性 |
ご近所トラブル | マンションなどで階下への漏水被害 |
まず最優先で行うべきは、被害を最小限に抑えるために「水を止める」ことです。水漏れの発生箇所が明確な場合は、該当箇所に近い止水栓(キッチンならシンク下、トイレならタンク横、洗面台下など)を閉めましょう。止水栓が分からない・複数箇所で同時に漏れている場合は、家全体の元栓を閉めます。元栓は通常、屋外の水道メーター付近(メーターボックス内や玄関そば)にあります。
対象 | 場所・特徴 | 閉め方 |
---|---|---|
止水栓 | キッチン・洗面台・トイレ下の配管分岐部 | ドライバーや手で右(時計回り)に回して閉じる |
元栓 | 屋外の水道メーターボックス内 | バルブを右(時計回り)にしっかり閉める |
止水後は水漏れしていた周辺の水分をタオルや雑巾でしっかり拭き取りましょう。床や壁に染みこんだまま放置すると、床材の腐食やカビの原因になります。また、二次被害を防ぐため、漏水していた場所の家電や電気配線には絶対に触れず、必要に応じてブレーカーを落とすなどシンプルな安全対策も行ってください。
ご自身でナットの緩みやパッキンの交換など簡単な修理が可能な場合は応急処置を試みてください。ただし、明らかに水の勢いが強い、どこから漏れているかわからない、部材が大きく破損しているなどの場合は、すぐに信頼できる水道修理業者に連絡しましょう。不安な場合は各自治体の水道局の「指定給水装置工事事業者」リストから選ぶと安心です。
キッチンの蛇口からの水漏れは、主にパッキンやカートリッジの劣化、ナットの緩みが原因です。築年数が10年を超えると、蛇口も消耗質部品のため経年劣化によるトラブルが増えます。
主な原因 | 対処法 | 必要な道具 |
---|---|---|
パッキンの劣化 | パッキンを新しいものに交換する | モンキーレンチ・新しいパッキン・ドライバー |
カートリッジの故障 | カートリッジを交換する | メーカー指定工具・カートリッジ部品 |
ナットの緩み | ナット部を締め直す | モンキーレンチ |
自分で原因が特定できない場合や、分解や交換作業が不安な場合は、無理せず専門の水道修理業者へ依頼しましょう。
シンク下や配管部分からの水漏れは、パイプの接続部の緩みやパッキンの劣化、または配管そのもののひび割れや腐食が原因で起きやすいです。
食洗機の水漏れは、給水ホースと排水ホースの接続不良や経年劣化、内部のパーツ破損などが原因です。ホースの差し込み具合や締め付けを確認し、必要があればホース交換を行います。内部からの漏れや電気関連の故障は安全のため専門業者に修理を依頼してください。
詳細はキッチン・台所の水のトラブルでも解説しています。
浴室の蛇口やシャワーヘッド部分の水漏れは、パッキンやカートリッジの劣化、シャワーヘッドのヒビ、ホースの老朽化が主な原因です。
浴槽のつなぎ目や排水口からの水漏れは、シーリング材(コーキング)の劣化や排水管のつまり、接続部の緩みが考えられます。
さらに詳細はお風呂の水のトラブルも参考にしてください。
トイレの水漏れは、タンク内部のボールタップやフロートバルブの劣化、給水管やパッキンの老朽化が代表的な原因です。
水漏れ箇所 | 主な原因 | 対応策 |
---|---|---|
タンク下部 | パッキンの劣化・ずれ | パッキン交換 |
便器と床継ぎ目 | 密結パッキンの劣化 | 専門業者でパッキン交換 |
タンク内部 | ボールタップ・フロートバルブの不良 | 部品交換 |
床に漏れる場合、排水管と便器の接続部や、便器周辺のシーリング不良、フランジ部の劣化の可能性があります。放置すると下階への漏水リスクがあるため、早急に応急処置を行い、業者に相談しましょう。
洗面所の蛇口からの水漏れは、パッキンやカートリッジの交換、接続ナット・給水管の緩みや腐食が主な原因です。ナットの締め直しやパッキンの交換で改善することが多いですが、給水管の腐食やサビ、部品の破損には部品交換や修理が必要です。
洗面ボウル下の排水トラップや配管接続部からの水漏れは、トラップの詰まりやパッキンの老朽化、配管のヒビ割れ・緩みが考えられます。詰まりの場合はパイプクリーナー等で清掃し、パッキン劣化や接合部の緩みは締め直しや交換で対応、配管の損傷は業者修理が必要です。
給水・排水ホースの接合不良やホース自体の亀裂が原因です。ホースの差し直しや締め直し、劣化の場合は新しいホースに交換しましょう。洗濯パンの排水口の詰まりにも注意しましょう。
本体内部からの水漏れは、内部ポンプや排水バルブなど電気部品の劣化や不良が疑われます。感電や故障リスクがあるため、電源プラグを抜いてからメーカーや専門業者による点検・修理を依頼してください。
戸建てやマンションで壁や天井からの水漏れは、屋内配管の破損や、外壁の防水不良、給湯器・屋外散水栓などからの漏水が原因です。壁や天井、床下周辺が濡れている場合は誤った自己修理で被害が拡大するおそれがあるため、速やかに止水し、水道修理業者または管理会社へ連絡しましょう。
自宅の水漏れトラブルに直面した際、「これは自分で修理できるのか」「専門業者に依頼すべきなのか」を正しく判断することが大切です。この章では、DIYで対応が可能な水漏れと、専門業者に依頼したほうがよいケース、その判断基準や具体的な手順、必要な道具について詳しく解説します。あわせて、賃貸物件での注意点についても紹介します。
水漏れの場所や原因によっては、ホームセンターや通販で入手できる工具や部品を使い、ご自身で修理が可能な場合もあります。次のようなケースはDIY修理を検討できます。
水漏れ箇所 | よくある原因 | 主な修理対応 | 必要な道具・部品 | 注意点 |
---|---|---|---|---|
蛇口(単水栓・混合水栓) | パッキンの劣化、ナットの緩み | パッキン交換、ナット締め直し | モンキーレンチ、プライヤー、ドライバー、新品パッキン | 適合するパッキンを用意し、水道の止水を忘れずに |
給水・排水管接続部 | 接続ナットの緩み、パッキンの劣化 | ナット締め直し、パッキン交換 | モンキーレンチ、新品パッキン、テフロンテープ | 配管を強く締めすぎない |
シャワーホース | ホースや接合部の劣化 | ホースやジョイント部分の交換 | モンキーレンチ、交換ホース | メーカーや型番に合う部品を選ぶ |
洗濯機の給水・排水ホース | ホース抜け、劣化による亀裂 | ホースの差し直し、交換 | 交換用ホース、ドライバー | 確実に差し込み、緩みがないか確認 |
これらの作業を行う前には必ず止水栓・元栓を閉めましょう。
以下のようなケースは、無理に自分で修理を行うと、状態が悪化したり、漏水箇所が拡大する危険がありますので、専門の水道業者へ依頼しましょう。
こうした場合、自己修理は漏水被害を拡大させるおそれがあるため、必ず信頼できる水道修理業者や、各自治体から指定を受けた「指定給水装置工事事業者」へ相談してください。
トラブル防止のため、複数業者からの見積もり比較もおすすめです。
賃貸アパートやマンションにお住まいの場合、自分で修理を進める前に必ず管理会社・大家さんへ最初に連絡を取りましょう。共用部分や経年劣化が原因と見られる場合、費用負担や修理業者の指定が必要となることがあります。
対応の流れは以下の表にまとめます。
対応ステップ | やるべきこと | 注意点 |
---|---|---|
漏水の確認 | 止水栓を締めて、被害の拡大を防ぐ | 焦らず安全確保を優先 |
大家・管理会社へ連絡 | 状況を写真で記録、連絡 | 勝手に修理することでトラブルになる場合あり |
修理業者の手配指示に従う | 指定業者がある場合はそちらを利用 | 自己判断で費用を先払いしない |
水漏れの状況によっては、火災保険や賠償責任保険の適用が受けられる場合があるため、保険証券も念のためご確認ください。
水漏れの原因や場所による対処法はこちらも参考になります:キッチン・台所の水のトラブル、お風呂の水のトラブル
水漏れを未然に防ぐには、日々の心がけや定期的な点検、そして適切なメンテナンスが欠かせません。水回りの設備は使用頻度が高いため、早めの発見と継続的なケアがトラブルを最小限に抑えるポイントとなります。
キッチンや浴室、洗面所、トイレ、洗濯機など各所の蛇口・配管や接続部、ナットの緩み、パッキンやホースの劣化は定期的に点検しましょう。部材の交換目安として、ゴムパッキンは2~5年、フレキ管やホースは5~10年がひとつの目安です。変色・ひび割れ・サビなどの劣化サインが見られた場合は、早めの部品交換が重要です。
チェックポイント | 異常の例 | 主な対応策 |
---|---|---|
蛇口・シャワー周り | 滴下、分岐部からの水漏れ | パッキン・カートリッジの交換、ナットの締め直し |
配管・ホース | 湿り気、腐食、カビ、サビ、異臭 | 劣化部の交換、腐食部材のリフォーム |
排水溝・排水口 | つまり、逆流、水位の異常 | 定期的な清掃、市販のパイプ洗浄剤の利用 |
接続部・ジョイント | 水滴・水たまり | ナットの締め増し、パッキン交換 |
また、給湯器や屋外の水道管も見落としやすいですが、給湯器周辺の地面が湿っていないか、屋外蛇口がグラついたりサビついたりしていないかも併せてチェックしましょう。
配管の耐用年数は約20~25年とされています。築年数の経過した住宅やマンションでは特に、定期的なメンテナンスや専門業者による点検を国土交通省:水道維持管理指針なども参考に実施しましょう。
冬場は凍結による配管破損が増える時期です。特に寒冷地や外気に触れやすい場所では、以下の凍結予防が重要です。
凍結による破裂が発生した場合には、まず元栓を閉めて水を止め、無理にお湯をかけるなどせず、自然解凍もしくは専門業者による対応が望ましいです。
シンクや排水口に油・髪の毛・ごみを流さない、洗剤や漂白剤の適正量を守る、トイレに異物を流さないなど、日常使いのちょっとした配慮がトラブル防止につながります。使い終わったあとは周辺を乾拭きすることで、漏れの早期発見やカビ防止にも有効です。
築10年を超えた、最近水まわりトラブルが度々発生している、水圧が下がったと感じる――このような場合は自分での点検・清掃に限界があるため、信頼できる水道業者やリフォーム業者に定期点検を依頼することが安心です。
こまめなセルフチェックと、症状があればすぐに専門業者に相談することで、大きな被害と高額な修理費を未然に防ぎましょう。
自宅の水漏れは原因を特定し迅速に対処することが被害拡大を防ぐ最大のポイントです。
キッチンや浴室、トイレなど場所ごとに適切な応急処置と予防策を実践し、異常を感じたら迷わず専門業者へ相談しましょう。定期点検も大切です。