トイレつまりで少しずつ流れる場合の直し方｜業者に頼む前にできる対処法

トイレの水が少しずつしか流れない「つまり」症状。その主な原因や自分でできる直し方、業者に依頼する判断基準、予防方法まで詳しく解説します。この記事を読めば、無駄な出費を避けつつ正しく安全にトラブルを解決する方法が分かります。

1. トイレつまりが少しずつ流れるときの主な原因

トイレの水がいつもより少しずつしか流れない、または時間をかけてゆっくりと排水される現象には、いくつかの主な原因が考えられます。ここでは、よく見られる代表的な原因について解説します。

1.1 紙や異物の詰まり

最も一般的なトラブルはトイレットペーパーや流してはいけない異物の詰まりです。トイレットペーパーは本来、水に溶けやすいですが、大量に流したり、耐水性の高いペーパーやおむつ、ペット用トイレ砂などの異物が混入した場合、便器や排水管内部で部分的にせき止められてしまいます。これにより、水の通り道が細くなり少しずつしか流れない状態が生じます。

1.2 尿石や水垢の蓄積

使用年数が長いトイレや、定期的な清掃が行き届いていない場合には尿石や水垢の蓄積が原因となることもあります。特に、排水路や便器の奥に尿石がこびりつくと水の流れが妨げられ、放置すると詰まりの原因となりやすいです。水道水に含まれるカルシウム成分が白っぽく固まることで水垢としても同様のトラブルが起きます。

1.3 排水管のトラブル

便器内部だけでなく、床下から家の外に繋がる排水管自体のトラブルも、流れが悪くなる大きな要因の一つです。たとえば、屋外排水管や排水枡に木の根が入り込んでいる場合や、配管の途中で勾配不良や陥没が起きている場合、汚水がスムーズに流れず、結果としてトイレからの排水が
ゆっくりとしか流れない症状が現れます。

原因	具体的な内容	主な症状
紙や異物の詰まり	トイレットペーパーの大量流し・おむつや生理用品などの流入	水位がなかなか下がらない、複数回のレバー操作でやっと排水される
尿石や水垢の蓄積	長年の使用や掃除不足による蓄積	徐々に流れが悪くなり、詰まりやすくなる
排水管のトラブル	排水管への根の侵入・勾配不良・老朽化	家全体で水回りの流れが悪い、屋外で水漏れや逆流が発生する

このように、少しずつしか流れないトイレつまりの原因には、目視できる部分だけではなく、配管内部や屋外の設備の問題も関与している場合があります。特に繰り返し症状が出る場合や自分で原因が特定できない場合は早めに専門業者への相談を検討することが大切です。

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2. トイレが少しずつしか流れないときに自分で確認できること

トイレの水がスムーズに流れず、少しずつしか流れない場合、まずは自分でできる範囲で原因を確認することが重要です。ここでは、トラブルの正確な把握と適切な対処につなげるためのチェックポイントを詳しく解説します。

2.1 タンクの水量をチェックする

トイレタンク内の水量が不足している場合、つまりではなく水流の弱さが原因となっているケースがあります。以下の手順でタンクの状態を確認しましょう。

チェック項目	確認方法・ポイント
止水栓の開き具合	タンク横や下にある止水栓がしっかり開いているか確認。
浮き球やボールタップの故障	浮き球またはボールタップが正しく動いているか、異音や水漏れがないかチェック。
便器背面からの水漏れ	水漏れや結露が生じていないか観察。

水量が正常か不安な場合は、タンクのフタを開けて内部の水位線を目安に水が溜まっているか目視しましょう。水が明らかに少ない・給水が止まらない場合は故障の疑いがあるため、この章の他の項目には進まず、メーカーや修理業者への相談を検討してください。

2.2 排水口や便器の状態を確認する

トイレの排水口、便器の形状や内部に異常や汚れがないかを調べるのも大切です。特に以下のポイントに注意しましょう。

• 便器の縁や排水口付近にトイレットペーパーが固まっていないか
• 水の流れが弱い・残り水（封水）が不自然に減っていないか
• 黒ずみや黄ばみなどの汚れが溜まっていないか

便器の汚れや異物が確認できた場合、掃除用ブラシやトイレットペーパー用クリーナーなどで軽く掃除をしてみましょう。落ちない汚れや奥に詰まりが見える場合は無理に触らず、次の確認へ進んでください。

2.3 異物混入の有無を確認する

トイレットペーパー以外のものや、大量の異物を流してしまった場合にはトイレの流れが悪くなる主な原因となります。次の一覧を参考に異物混入がないか確認してください。

異物の種類	よくある例	確認・対処方法
固形物	おもちゃ・生理用品・スマートフォン・ハンカチ	見える範囲にあれば取り除く。見えない場合は無理に押し込まず業者へ相談。
大量の紙類	トイレットペーパーの使いすぎ・ペーパータオル	ラバーカップやお湯でふやかして流す対処法を検討。
掃除用品	流せるタイプ以外のシート・ブラシ部分	無理に取り出そうとせず、状況によっては業者を呼ぶ判断を。

異物を誤って流した自覚がある場合は、素手で無理に取り出そうとせず、ラバー手袋や道具を使い、それでも解決できない場合は水道修理業者に連絡しましょう。

3. 業者に依頼する前に自分でできるトイレつまりの解消法

トイレの流れが悪くなった場合、必ずしもすぐに業者へ連絡する必要はありません。自分で簡単にできる対処法をいくつか知っておくことで、費用や時間を節約できる場合があります。ここでは、主に日本国内で一般的に用いられる、代表的なトイレつまり解消法とポイントについて紹介します。

3.1 ラバーカップ（スッポン）の使い方

ラバーカップ（スッポン）は、日本のご家庭で最も身近なトイレの詰まり解消アイテムです。適切な使用方法を守ることで、安全かつ効果的にトイレのつまりを解消できます。

• 便器内の水位が高すぎる場合は、少し水を汲み取っておく（あふれ防止）。
• ラバーカップを排水口にぴったり当て、ゆっくり押し込む。
• 押した後、勢いよく引く。この動作を数回繰り返す。
• 詰まりが取れたかどうかを確認し、何度か水を流して状態をチェックする。

なお、和式・洋式でラバーカップの形状に違いがあるため、便器のタイプに合ったものを選ぶことが重要です。

トイレ詰まりをスッポンで直す方法を覚えておこう！

3.2 お湯を利用した解消法

トイレットペーパーや排泄物が原因の軽度な詰まりには、ぬるま湯を使う方法も効果的です。ただし、高温のお湯（60度以上）は陶器製の便器を傷める恐れがあるため、50度程度のぬるま湯を使いましょう。

1. バケツで約40〜50度のぬるま湯を用意する。
2. 便器にゆっくり注ぎ入れる。
3. 20〜30分程度放置し、塊が溶けて自然に流れるのを待つ。
4. 水を流して改善されたか確認する。

水が溢れそうな状態では行わないよう注意してください。

3.3 掃除用ワイヤーや真空式パイプクリーナーの利用方法

固形物やラバーカップで解消できない頑固なつまりには、掃除用ワイヤーや真空式パイプクリーナーが役立ちます。これらはホームセンターなどで市販されており、比較的手軽に使用可能です。

器具名	使用方法とポイント	注意点
掃除用ワイヤー（トイレ用クリーナーワイヤー）	ワイヤーの先端を排水口に挿入し、ゆっくりと回転させながら押し進める。 軽く引き戻したり、再度押し込む動作を繰り返して詰まりを除去。	力任せに押し込むと便器や排水管を傷める。 異物が奥に押し込まれないよう慎重に操作。
真空式パイプクリーナー （真空ポンプ）	先端を排水口へしっかり密着させる。 ハンドルを素早く引いて真空状態を作り、つまりを押し出す。	密着が甘いと効果が弱まるので注意。 水の飛び散りに注意し作業する。

3.4 中性洗剤など家庭用品を使った対処法

油分や尿石が原因の場合、中性洗剤など家庭用品も活用できます。洗剤の界面活性剤が詰まりを緩ませ、排水の流れをスムーズにすることがあります。

• 中性洗剤を便器の排水口付近にキャップ2杯ほど垂らす。
• 数分待った後、ぬるま湯をゆっくり注ぐ。
• 1時間ほど放置後、水を流して状態を確認する。

家庭内で使う洗剤は、必ず「中性」と記載されたものを選び、漂白剤やカビ取り剤との併用は避けてください。有害なガスが発生する恐れがあります。

これらの方法で解決しない場合や、異物を落とした場合、水位が大きく変動する、不快な臭いが発生しているときは、無理をせず、信頼できるトイレ修理業者への依頼を検討しましょう。

4. トイレつまりが改善しない場合と業者に依頼すべきタイミング

4.1 トイレ修理業者に依頼する基準

自分でできる解消法をすべて試してもトイレのつまりが改善しない場合は、無理に作業を続けず早めにプロのトイレ修理業者へ依頼しましょう。症状が悪化してしまう前に専門知識や専用機器を持った業者の対応を受けることで、大がかりな修理や追加費用を避けられる場合もあります。

依頼を検討すべき具体的なタイミングには、以下のようなケースが該当します。

症状	業者依頼の必要性
水位が一定以上まで上がり続ける、または便器から水があふれる	すぐに業者に依頼
ラバーカップやワイヤーでも改善が見られない	業者へ連絡を検討
何か硬い異物を誤って流してしまった	業者の専用器具が必要なため依頼
排水管内部の破損や水漏れなど明らかな構造的な異常が見られる	早急に業者へ依頼

異臭がする・他の排水口も詰まりがちな場合は、排水管全体に問題がある可能性があり、こうしたケースでも迅速な修理が重要です。

4.2 優良な水道業者の選び方

多くのトイレ修理業者が存在しますが、信頼できる業者を選ぶことがトラブルを回避する第一歩です。業者選びの際は、以下の点に着目しましょう。

• 水道局指定工事店であるかを確認
• 事前の見積もりが明確であるか
• 説明が丁寧で、追加費用が発生する場合の説明がきちんとされるか
• 電話対応や訪問時のマナーが良いか
• 口コミや評判が良いか（Googleレビューなどの公式情報も参考に）

悪質業者による高額請求トラブルも報告されています。緊急時でも複数業者で比較し、「ネットで評判が良い」「地元自治体が公表している指定業者である」などのポイントに注意してください。

4.3 トイレつまり修理にかかる費用と作業内容

トイレのつまり修理費用は、つまりの原因や作業内容によって異なります。一般的な費用相場を以下の表にまとめます。

主な作業内容	参考費用（税込）	特徴
軽度のつまり（ラバーカップ、薬剤使用）	5,000円〜10,000円	作業時間は30分程度、出張料含まれることが多い
高圧洗浄や専用工具を使用した除去	10,000円〜25,000円	頑固なつまりに対応、排水管のクリーニングもあり
便器の取り外しを伴う作業	20,000円〜40,000円	流せない異物の回収や排水管の工事を行う場合

これらの相場はあくまで目安であり、出張料・深夜料金・追加部品代などが別途かかる場合もあるため、事前の見積もり確認が重要です。また、請求書や作業内容の説明を必ずもらっておき、消費者庁など公的機関が発信する情報もチェックしましょう。

5. つまり予防のために日常できるお手入れと注意点

5.1 流してはいけない物の確認

トイレ詰まりの予防として最も重要なのは、流してはいけない物を把握し、適切に廃棄することです。日本の家庭用トイレは「トイレットペーパー」と「排泄物」を処理することを前提に設計されていますが、それ以外のものは詰まりの原因となります。

流してはいけない主な物	理由・リスク
ティッシュペーパー・紙おむつ・生理用ナプキン	水に溶けにくく、下水や排水管で詰まりやすいため
大量のトイレットペーパーや消臭シート	水流で一度に処理できる量を超えるとつまりの原因になる
ペットのトイレ砂や猫砂	固まる性質が排水管内で固化・沈殿しやすい
衛生用品・プラスチック類・歯ブラシ等	全く分解されず、深刻な詰まり・故障リスクがある
油や生ごみ	固まってパイプ内部に付着し、流れにくくなる

「トイレに流しても良い」と記載のある専用品以外は、基本的に流さず燃えるごみ等で処理しましょう。大阪市水道局や東京都下水道局にも注意喚起がされています。

5.2 定期的な掃除とメンテナンス方法

トイレの詰まりは日々の蓄積によっても起こります。定期的な清掃とメンテナンスにより、詰まりや異臭、水垢・尿石の蓄積を予防しましょう。

5.2.1 便器・排水口周りの清掃

最低でも週に1回は専用のトイレブラシと中性洗剤で便器内部や水たまりの縁、排水口周辺を掃除しましょう。汚れが気になる部分には「トイレ用漂白剤」や「カビ取り剤」を、使用上の注意を守って使うことが大切です。

5.2.2 タンク・手洗い部分のメンテナンス

タンク内に汚れが溜まると水の出が悪くなり、トイレの流れも弱くなる原因となります。市販の「タンク洗浄剤」や「重曹とクエン酸」を使うことで、安全にタンクの掃除が可能です。2カ月に1回程度を目安に行いましょう。

5.2.3 排水管のメンテナンス

年に1～2回程度、「パイプクリーナー」などを使用して排水管を定期洗浄することで、蓄積した汚れや尿石の除去ができ、流れがスムーズになります。市販のクリーナーは用法容量を守って利用してください。

5.3 日常生活で注意するポイント

一度に大量のトイレットペーパーや異物を流さないこと、異物が落ちやすい場所に物を置かないこと、子どもや高齢者にもルールをしっかり伝えることが大切です。また、異常な流れの遅さや水位の変化に気付いたときは、早めの対処や専門業者への相談を検討しましょう。

6. まとめ

トイレつまりが少しずつしか流れない場合は、まずラバーカップやお湯、中性洗剤を使った対処法など自分でできる方法を試しましょう。改善しない場合や異物混入の疑いがあるときは、信頼できる水道業者に依頼すると安心です。普段からトイレットペーパー以外は流さず、こまめな掃除を心がけることが再発防止につながります。